受験

Pululululu あ、電話だ。出なくちゃ。

「もしもし」

「あ、レイちゃん、見晴だよ!」

見晴ちゃんだ!元気してるようで・・・

一番言いたい言葉は・・・言えるのかな・・・

「見晴ちゃん・・・」

声を聞いただけで涙がこぼれ落ちてきた。

「レイちゃん、泣いていいよ。私の前だけでね」

「うん・・・うん・・・」

そう言われると、声を上げて泣いた。



「やっぱり寂しいかな?レイちゃん」

見晴ちゃんは心配そうに聞いてきた。

「ごめんね・・・見晴ちゃん・・・寂しい・・・すごく・・・」

「でもね、レイちゃん、ちょっと嬉しいお知らせだよ」

その言葉に反射的に

「え、何?」

と聞くと

「今度、レイちゃんの通ってる大学に、試験受けに行くよ」

試験・・・見晴ちゃんは頭がいいから、受かるだろうな・・・

とうとうくるんだ・・・見晴ちゃん。

「レイちゃんと会えるんだよ!」

「ホントに・・・嘘じゃないよね・・・」

「違うよ、本当だよ。会いに行くよ」

そう聞くと、また泣いてしまった。

嬉し涙だ。

「とりあえず、入試から合格発表までは居るから」

「大丈夫よ、見晴ちゃんの頭だったら合格できるよ」

「いやー、レイちゃん、かなり厳しいところ通ってるから、どうかなぁ?」

そんな話をしていた。

見晴ちゃんが来る、心はかなり浮かれていた。



入試5日前。

見晴ちゃんがアメリカに来る日。

私は飛行場へとやってきていた。

見晴ちゃんを迎えに来たのだ。



飛行機が着陸した。

人混みの中から見晴ちゃんを探す。

見つかるかなぁ。

そんなふうに思ってると、後ろから抱きしめられた。

「レーイちゃん!おまたせ!」

見晴ちゃんだ。

嬉しすぎて、振り向いて抱きしめ返した。

「見晴ちゃん、私、私・・・」

また泣いてしまった。

見晴ちゃんは受け止めてくれていた。

「よしよし、レイちゃん・・・」

そして、Kissしてくれた。



「レイちゃん、涙は乾いたかな?」

「うん。ごめんね」

そう言うと、見晴ちゃんは手を繋いできた。

握り返した。

この重ねた手をもう離さないでね、見晴ちゃん。

そして私の家に向かって歩き出した。



合格発表の日。

見晴ちゃんと二人で結果を見に来た。

「レイちゃん、落ちてたらごめんね」

「見晴ちゃんなら受かるよ!」

「じゃ、見るよ・・・」

見晴ちゃんの番号を必死に探した。

そんなうちに見晴ちゃんが、

「あった!あったよ!レイちゃん!!」

思わず見晴ちゃんを抱きしめた。

「ありがとう・・・見晴ちゃん・・・」

「レイちゃん、やったよ・・・」

「帰ってお祝いしようよ」

「うん!」



これからは二人で仲良く暮らそうと思った。

泣いてばかりかもしれないけど、迷惑かからないように、暮らしていこうと。

見晴ちゃんがそばに居てくれるからもう大丈夫。

重ねた手を離さずに、ずっと二人一緒で・・・

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