ダンス

「はぁ」

紐緒さんはため息をつく。

そして何だか浮かない顔をしてた。

「どうしたの?紐緒さん」

尋ねると、紐緒さんは答えた。

「明日はくだらない、体育祭よ。そんなことしてる暇があったら、研究してたいわ」

めんどくさそうにそう答えた。

「体育祭ね、私は頑張ってる人の姿が沢山見れるから好きなんだけどな」

「なによ、私以外の人も見るってこと?」

紐緒さんが続いた。

え!そういう意味じゃ・・・

紐緒さんだけを見てたいのは当たり前のことじゃない。

紐緒さんは頑張ってくれないのかなぁ。

「そうね、あなたは私以外の人も応援するのよね」

そういってスネた。

そんな表情を見てたら、可愛すぎて愛おしく思えた。

耳元で

「違うよ、応援する人はね一人だけなの、私の大事な大事な人だけ」

そう囁くと紐緒さんは私のこと抱きしめた。

紐緒さんはこう見えて、結構嫉妬深いの。

私が他の人を見てると、すぐに拗ねる。

子供みたいなところもあって、そんな部分、見てるとものすごく可愛いんだけど。

多分紐緒さんのこと可愛いなんていう人私だけなんだろうけどね。

私の前でだけ見せてくれる可愛い表情。

切ないくらい愛おしく思えて、抱きしめ返した。



「ねぇ、紐緒さん、フォークダンスは出るんでしょ?」

はぁと紐緒さんは溜息つく。

そして

「そうね・・・ってあれ強制でしょ?でなくちゃいけないじゃない、私はあんな下らないことしたくないけど」

そう、強制なんだ。

男女で踊るから、私は紐緒さんとは踊れないんだけど。

それが悲しかった。

みんなの前で堂々と踊れるというのに性別が一緒なだけで踊れないの。

悲しい顔をしてると、紐緒さんは、立ち上がった。

「沙希、出かけるわよ」

「え、どこに?」

「踊れるところよ」

そう言うと、私は紐緒さんに続いて、家を出た。

紐緒さんは私の手をとって、繋いでくれた。



駅前につくと、紐緒さんは一件のクラブに入っていった。

そうして、中に入る。

みんな踊っていた。

「紐緒さん、私こういう所初めてなんだけど・・・」

そう言うと、そっと紐緒さんは抱きしめてくれた。

「安心して、私がずっと傍にいるから、あなただって私と踊りたいんでしょう?」

「うん・・・」

私はなれないステップを踏んで紐緒さんと踊り始めた。

紐緒さんがリードしてくれたからか、なんとか踊れた。

紐緒さんと踊ってる、何だか夢みたい。



音楽が変わった、静かに流れる音楽。

「沙希、チークダンス、わかる?」

チークダンス・・・

首を横に振ると

「わかったわ、私に任せて、踊るわよ」

紐緒さんは体を密着させてきた。

そうして紐緒さんにリードされるがままに、ゆったりと踊った。

「沙希・・・」

紐緒さんはそっと口付けてきた。

キスしながら、夢中になって踊った。

目を閉じるとまるでそこは、二人だけのダンスフロア。

紐緒さんのぬくもりが伝わってくる。

その想いが伝わってくる。

いつまでもこのまま踊っていたかった。



しかしながら、無情にも音楽は終わってしまった。

けどフォークダンスで紐緒さんと踊りたいという願いは叶った。

体育祭のフォークダンスじゃこんなに長く踊らないけど。

だから紐緒さんを独り占めできてすごく今、幸せ。

「紐緒さん、ありがとう、一緒に踊れて嬉しい」

そう言うと紐緒さんは、軽くキスしてくれた。

「私もよ・・・明日の体育祭バックレてもいいとさえ思ったわ」

「さすがにそれはダメよ、一応でいいから、ちゃんと出てね」

紐緒さんはわかったと囁いた。



別れて家につき、ベッドに横になった。

紐緒さんとのダンス、思い出して、一人ニヤけてた。

明日は明日の風が吹く!

そして私は眠りについた。

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